2021年9月半ばごろから話題になった親ガチャ。虐待問題の領域では、毒親という言葉が用いられてきましたが実際に当事者の方々はどのように考えているのでしょうか。
2021年9月30日に虐待被害の当事者であるAさん・Bさん・Cさんの3名の方に下記の記事をシェアし読み合わせをした上で直接お話を伺ってみました。本記事ではその様子をお伝えします。
「親ガチャ、ハズレだったわー」は失礼? 不快だと感じる人に考えてほしいこと【臨床心理士が解説】
親ガチャに対して当事者はどう思うのか?

ケネスクラークとマミークラークの人形実験

「黒人形・白人形テスト」は黒人の子どもたち(6 〜 9歳)に白人の人形と黒人の人形を見せて,良い人形を教えて」「悪く見える人形を教えて」「自分と似ている人形を教えて」などと問いかけるものである。一連の実験においてマミーとケネスは,黒人の子どもたちでさえ,悪く見えるのは黒人の人形だとすることを劇的に示した。また,その後に自分に似ている人形を選ぶ時には,苦しさのあまり泣き出したり実験室から逃げ出したりする子どももいた。悪い人形として回答した黒人人形を自分に似ていると答えるのが苦しかったのであろう。しかし,ケネスによればもっとショックだったのは,むしろ,あきらめた表情で「悪い」黒人の人形を「自分と似ている」と答える子どもたちであった。その子どもたちは,社会の価値を内面化していたのであるから。
引用元:『心理学史の中の女性たち』日本心理学会
まとめ(備忘録)

いかがでしたでしょうか?親ガチャという言葉そのものが毒親という表現よりもライトな使い方ができる一方で、使いどころは難しいという意見もありました。
また、親ガチャという言葉を使ったからといって、本人を気軽に責めるのはどうなのか?という意見もあり、きちんとその人がその言葉を使った意図を理解する必要もあるかもしれません。
また、社会構造そのものの変遷が示唆されるという意見もあり、非常に充実した意見交換の場となりました。本記事はあくまで虐待当事者の声を発信しているものですので、賛否両論あるかもしれませんが、いちメディアの記事としてみなさんの考える一つのきっかけになれば幸いです。
親ガチャという表現とどう向き合うか~虐待問題の解決に取り組むメンバーで対談してみた~